山燕庵

やさしく、暮らす 山 燕 庵 / さんえんあん

深呼吸農法 人は、土がないとなにもできない。

息をするように、土と生きる。

田んぼの真ん中で、ようやく呼吸ができた。 かつて、私は数字とグラフの世界に生きていました。 膨大なデータを読み解き、確からしさを組み立てる毎日。 気づけば、心も体も静かにすり減っていて、 何が大切だったのか、自分の輪郭さえ曖昧になっていました。 そんなとき、父が耕す田んぼに立ったのです。 風が吹き、草がそよぎ、土に触れる。 鳥がさえずり、虫の羽音がすぐそばで響く。 ふいに思い出しました。 子どものころ、鳥や虫が大好きだった自分のことを。 「ああ、自然の中で私は、生きているんだ」 深く息を吸い込みたくなるような感覚が、 少しずつ、戻ってきたのです。 自然の呼吸とともに、静かに育てていく私たちの農業を「深呼吸農法」と名づけました。 命のリズムに合わせて、手をかけ、待つ。 やさしい暮らしに寄り添うものを、ひとつひとつ。 ていねいに、誠実に。 そんなものづくりの先には、 不思議と、いい人たちが集まってきてくれます。 “手触りのあるものづくり”を、 今日も、能登の田んぼから。

大切にしていること めぐるものの、まんなかで

  • 01

    発酵という営みに、
    物語が宿る。

    自然と人の間にある、小さな奇跡。
    能登で育てた玄米に、 発酵のちからを吹き込んでくれるのは、 金沢・大野の老舗、ヤマト醤油味噌さん。 100年以上つづく蔵で、自然のリズムに沿って、 ゆっくりと、ていねいに甘酒へと育ててもらっています。 「玄米がユメヲミタ」は、 能登と金沢、北陸の風土がつながって生まれた甘酒です。 素材の味を引き出すということは、 声にならないものに耳を澄ますということ。 そして、そのやさしい気配を、 日々の暮らしのなかで感じてもらえたら。 発酵は、自然のちからであり、 人の知恵であり、 未来へ手渡していける、やわらかな営みでもあります。
  • 02

    めぐるものが、
    美しいと思えたら。

    まだ名前のない価値に、目をこらす。
    米ぬかは、長いあいだ“いらないもの”とされてきました。 けれどそこには、ほのかな香ばしさや、やわらかな温かさ、 そして眠っていた豊かな力が、静かに息づいていました。 ある日、母が大切にしまっていた手づくりのぬかカイロを見つけて、 わたしはその可能性に、心がほどけるような気持ちになったのです。 こうして生まれた山燕庵の「ぬか袋カイロシリーズ」は、ただの“再利用品”ではありません。 自然の恵みを、もう一度暮らしの真ん中へ。 そんな想いを込めて、田んぼからやさしさを包み、届ける。 それは、めぐるものとともに生きる、あたらしい暮らしの提案です。
  • 03

    自然とつながる、
    あたらしい物語

    自然に還るもの、未来へつなぐもの
    最初に共鳴してくださったのが、SHIROさんでした。 能登の田んぼで育った米ぬかが、自然の力を活かしたスキンケア製品として生まれ変わり、全国の店舗で取り扱われています。 SHIROさんのものづくりには、 自然に対するまっすぐな姿勢と、静かな芯の強さがありました。 その佇まいに、私たちの背筋も、すっと伸びたのです。 この出会いをきっかけに、山燕庵のアップサイクルの取り組みも注目されはじめました。 無印良品さんが手がけるお米の米ぬか活用、 埼玉りそな銀行さんとの、放置竹林の竹材を活かしたアイテム開発など、 さまざまな企業から共創の声が届いています。 “もったいない”から、“めぐる美しさ”へ。 自然の循環が、静かにあたらしい価値を育てはじめています。

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